ボーン・アルティメイタム2008年05月17日 22時30分00秒

暗殺者ジェイソン・ボーンが、失った自分の記憶を取り戻すため、CAIを相手に戦うアクション三部作の完結編です。

印象的だったのは、元同僚の女性、ニッキーと対話する場面。「あなたといっしょにいるのは辛かった。何も覚えてない?」というセリフからは、過去の二人の関係が垣間見えますが、うやむやなまま終わってしまいます。まあ、ここでそれを思い出してしまっては、話がややこしくなるのかもしれません。

前作の「ボーン・スプレマシー」で、捜査官パメラがCAIの最高機密へのアクセスを求めた際、「よかろう、特別に許可する。ただし断片的な開示だ。」という返答がなされました。
われわれの記憶も、すべてを覚えているように思えても、実際には断片的なものでしかないはずです。その断片的な記憶を関連づけることによって、それぞれの物語が紡ぎ出されているのでしょう。

ビッグ・フィッシュ2008年05月25日 00時51分45秒

この映画を見ていて、人が幸せに生きるためには、次の二つが有効なのではないかと感じました。

ひとつは、“人に釣られない奔放な魚が川で一番になる”という魔女の言葉に示された自立的で主体的な生き方。

軍隊で、ベトナム上空の飛行機からパラシュートで降下する場面がありました。兵隊たちが上官の掛け声に合わせて次々と飛び降りるなか、主人公だけは、時計を見ながら12時ちょうどに飛び降ります。自分の運命を左右するであろう数秒を人任せにするのではなく自分で選ぶ。それが、この映画全編を貫く人生観なのではないでしょうか。

そして、もうひとつは、自分の人生を物語として語ること。

それは、息子のためだけでなく、自分自身のためだったのかもしれません。物語を構想するなかで、さまざまな記憶が関連づけられ、意味づけられていきます。
“息子が生まれたときのことを、ありのままに語るよりは、結婚指輪をのみ込んだでかい魚を釣り上げたという方がずっと面白い”という主治医の話にも示されたとおり、何が本当かということ以上に、何にどんな意味があったのかが重要なのでしょう。

深く心に残る、鮮やかなおとぎ話のような映画でした。